この度はお読みいただきありがとうございます。
この記事はすでに株式投資の世界に足を踏み入れている方、あるいは株式についてもっと知りたいけれども何から手をつけて良いかわからないという方を対象としています。
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証券マンが失敗しないコツを伝授!①の続きになります。
まだ読んでいない方はそちらからお読みいただくのをお勧めいたします。
株式を買う前に準備すべきこと
利益の出す方法がたくさんあるのが、株式投資の難しいところです。
実は株歴が長く毎年利益を出す人ほど、その方法はしっかりと持っています。
方法を身に付けるためには目標の設定が必要です。
目標があるからこそ、次に必要な準備へと進むことが出来ますし、目標を軸とした再現性のある取引に繋がります。
まずは、自分自身がどんな利益を求めているのかを知りましょう。
ここは自分本位の目標で良いです。
この記事では以下を目標として解説していきます。
(1)配当をとりたい
(2)値上がり益をとりたい
設定した目標に向けて準備すること
(1)配当を取りたい
配当を目標とした人には、準備することが2つあります。
企業の①配当方針の確認と②ファンダメンタルズ分析です。
まずは①と②で増配余地があるのか、減額リスクがあるのかを見ていきましょう。
配当を取りたい人がやること
①企業の配当方針の確認
・配当性向をいくつに設定しているのか?
②ファンダメンタルズ分析
・減配リスクは何か?
・増配余地はあるか?無理していないか?
①配当方針の確認
企業の配当方針を確認しましょう。確認する方法は中期経営計画や決算説明資料に書かれている、配当性向について記述をチェックしましょう。
一般的には、配当性向はその年の純利益に対して何%となる配当金を出すかで決まります。
例えば、100億円の利益を出す企業が配当性向を30%と設定するすれば、配当金は30億円となります。
例:東京海上HDの決算説明資料より

その他の有名企業の配当
企業名 | 東京エレク | YAMAHA | JT | 良品計画 | 商船三井 | 丸紅 | ZOZO | AGC |
配当性向 | 50% | 40% | 75% | 30% | 25% | 25% | 50% | 40% |
注意
実は配当性向が高ければ、減額リスクも高くなってしまいます。
配当性向が高すぎる企業だと、利益が少し減っただけでも配当金は減額されやすいためです。
配当性向から配当を示すという事は、業績によって配当金を変更するというメッセージです。
例えば半導体製造装置メーカーの東京エレクは、配当性向50%としていますが、今期は業績予想の下方修正により減額をしています。5月に出した今期の業績予想より、実際の業績が悪くて配当性向に基づき減額しています。
株探記事ーーー2022年11月10日 東エレク、今期経常を一転9%減益に下方修正、配当も196円減額
基本的には配当性向が70%以上の高配当株は要注意です。業績次第では他より減額リスクも潜在的に高いです。
おすすめの配当性向
個人的には30~40%前後が安定して伸び代があると考えています。
減額リスクを明確にする面からも何に対して配当性向が設定されているのか、必ず知っておくべきです。
配当については別の記事でも解説しています。
こちらもお読みいただければ幸いです。
配当は、企業の自己資本(株主資本+利益)から支払われます。
そのため、増配余地、減額リスクを見るためには
自己資本の量と業績動向をチェックしてみましょう。
②ファンダメンタルズ分析
自己資本と業績の調べ方は企業の決算短信から貸借対照表の自己資本の欄を読むのが一番良いのですが、最近では株価情報サイト(株探)でも公開されることが増えています。こちらでも構いません。
例:ZOZOの業績予想と財務状況
まずは業績から配当性向を見てみましょう。

ZOZOは配当性向50%なので、純利益は35,900(359億円)で180億円の配当金になります。
これを一株配当60円として保有数に応じて投資家に分配するわけです。
数字を見るとZOZOが示している配当性向50% にしっかりなっています。
次に減配リスクを財務状況からみてみましょう。下の図は財務状況です。

自己資本を見ると、63,575(635.75億円)となっていますので、180億円の配当を出したとしても
自己資本には余裕があるため、現状の配当金の減額リスクは財務状況にはありません。
ZOZOに増配余地はあるのかも分析してみましょう。
増配余地については、配当性向50%をさらに上げるか、業績を上げるかになりますが、
すぐにできる方法は配当性向をさらに上げる事です。
ただ、現状の配当性向50%は平均(40%台)より高いのと、これ以上に配当性向を上げてしまうと業績が落ち込んだ際には減配リスクが大きくなります。
現状からみるZOZOの増配余地は業績次第、早急には期待できないとなります。
もちろん業績が拡大し続けるのであれば問題ありません。
ただ配当を取る銘柄としては、ほかにもっと高配当銘柄があるため不適格と言えるでしょう。
※2022年12月時点でZOZOの配当利回りは1.7%となっています。
これは東証プライムの中では平均(2.37%)より下回ります。
このように一つ一つ銘柄を見ていくことが必要ですが、結構大変ですので
最初は高配当銘柄を先にリストアップしてから、それぞれ分析していくのが良いでしょう。
ワンポイントアドバイス
増配が発表されるのは、10~11月以降が一番多いです。
2Q 決算と被る時期になるため、企業からすれば、年の半分が過ぎて今期の利益を見通しやすい時期になります。
1Q決算直後の8月~9月の間に、高配当株の業績をチェックし、今期会社予想と比べて1Q 決算が高進捗率の銘柄をピックアップしましょう。
1Q 決算時点の進捗率は、30%を超えていればいい銘柄です。
後の増配発表で上がる株も多いため、発表までの下落の際に買っておきましょう。
以下は例になります。
例:タムロン
タムロンの配当方針

タムロンは、自社ホームページで配当性向を35%と公表しています。
今期の会社予想(8/8時点)

22/8/8時点で、今期の最終利益予想が7,350(73.5億円)、一株当たりの利益が351.8円となっています。
利益が73.5億円の配当性向が35%という事は、私が計算すると、配当総額が25.7億円、配当金が123.13円となります。しかし、実はこの時のタムロンの配当金予想は、87円となっていました。
この時点では、タムロンは配当方針とはかなりズレがある弱気な配当予想を出していました。
しかし、11月22日に、12月期の年間配当を従来計画の87円→115円と増額修正しました。
理由は、業績が高進捗率だったためです。
2Q決算までの3か月実績

2Q時点で、1Q決算と合計すると、1,721+2,844=45億円となるため、進捗率は62%となり、(進捗率ノルマは2Q決算時で半分となる50%)かなり高い進捗率となります。
さすがに、87円予想から115円に増額修正されたという事です。
さらに面白いのが、この高い進捗率を年度末まで継続すると仮定すると、配当性向35%の配当金は今後、153.3円まで増額できます。現状の決算の調子を維持できるならさらに115円→153.3円まで増額修正されるかも知れません。
配当性向と、業績の進捗率から、想定の配当金を計算してみてください。
そして10月以降に配当増額発表が出やすいとなれば、いつ買えば良いのかも、見えてくるはずです。
これは上級者テクニックですが、労力さえかければ、勝率はグッと高くなります。
配当を取りたい人がやること
①企業の配当方針の確認
・配当性向をいくつに設定しているのか?
配当性向30%は伸び代が大きい、40%~50%は平均、60%以上は減配リスクが高い
②ファンダメンタルズ分析
・減配リスクは何か?
業績が良いかを確認、自己資本の量を確認
・増配余地はあるか?無理していないか?
①の配当方針と比べて、実際の業績と自己資本の量から上放れ、下放れする可能性を確認
(2)値上がり益をとりたい
値上がりを目標とした人には、準備することが2つあります。
①銘柄選定と②ファンダメンタルズ分析です。
①と②で値上がり余地をを見ていきましょう。